私は、私の頭のなかにある、強烈な過去や忘れ難い人間たちのあいだを早足で駆ける風の息遣いで目をさます。まるでこれが幸せの前兆であるかのように、私の頭のなかで生まれた目に見えないある温度が、いびつな記憶の塊をひとつ残らず、荒々しく掴み、名残惜しそうに撫でながら去ってゆく。

 そういうときに、物語は生まれる。

RANK

東京